なぜ今、太陽光発電なの?
太陽光発電は、発電する際に CO2 を発生させないため、地球温暖化防止のために非常に効果的な手段
とされています。
地球温暖化対策は、世界中で緊急の取組みが求められており、2015 年パリで開催された COP21(国
連気候変動枠組条約第21回締約国会議)では、世界共通の長期目標として、「世界的な平均気温上昇を 産業革命以前に比べて2°Cより十分低く保つとともに、1.5°Cに抑える努力を追求すること」などを目的 に「パリ協定」が締結されました。これにあわせ、日本を始め主要な排出国ではそれぞれの国の温室効果 化ガスの排出削減目標を定め、国連に提出しました。その後、日本は、国内の温室効果ガスの排出を 2050 年までに実質ゼロにする「2050 年カーボンニュートラル」を 2020 年に宣言しました。
「2050 年カーボンニュートラル」の実現を目指す上では、国内の産業や運輸、家庭を含めたあらゆ る分野で化石燃料の使用を減らす省エネルギーの徹底と、CO2 を発生させない太陽光や風力といった再 生可能エネルギーの利用拡大が求められています。太陽光発電は、この再生可能エネルギーの利用拡大 のための重要な手段の一つであり、国や自治体もその普及に取り組んでいます。
また、昨今の世界的なエネルギー供給の不安定化を受け、国内で得られる太陽エネルギーを利用して 発電する太陽光発電システムは、国内でのエネルギーの自給率を高める手段としても重要性が高まって います。
1-1-2 戸建住宅に太陽光発電システムを設置する必要があるの? 我が国の温室効果ガス排出量の内訳をみると、家庭部門でのエネルギー消費に伴う温室効果ガスの排
出量は、15.9%を占めます(2020 年度)。我が国全体の排出量と家庭部門の排出量は 2013 年度以降 減少傾向にありますが、「2050 年カーボンニュートラル」を実現するためには、暮らし方の工夫や変革 だけでなく、まずは住宅の省エネルギー性能の一層の向上を図り、加えて再生可能エネルギーの導入を 拡大していくことが重要です。
また、住宅や建築物の屋根は太陽光発電システムを設置するスペースとして注目されています。
国においては、FIT 制度、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や低炭素建築物等への支援や、 脱炭素先行地域制度、建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度などにより、住宅における再生可能 エネルギーの導入拡大の取組みが進められています。